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潜在意識の不思議

私の母校の小学校には、あらい先生という若くして亡くなった男の先生の幽霊の噂がありました。

あらい先生は、私が1年生か2年生だった頃に新卒で赴任してきて、白血病を発症し、闘病の末に亡くなった先生です。赴任してから亡くなるまでの期間は3年ほどだったのではないかと思います。

私も姉もあらい先生が担任になったことはなく、クラブなどで接点があるわけでもなかった中、幽霊の噂や目撃情報をたくさん耳にしたせいか、私の記憶の中ではあらい先生は最初から幽霊でした。


GW最終日、自宅に帰るべく運転していた車の中で、自分でもよく覚えてたなとすごく驚いたのですが、あらい先生に教わったことが一度だけあったことを思い出しました。
思い出したら涙が止まらなくなって、自分でわけがわかりませんでした。

2年生のころ、担任の先生が何日か連続して休んだ時のある1日の1時間だけ、あらい先生が私のクラスに国語の授業をしに来たことがありました。
初めてあらい先生を見て、私はポカーンとしてたのです。「この人なんだろう?」と。

授業の物語の主人公について、クラスの誰かが「バカ」と言ったのに、他の先生や一般的な大人のように「バカなんて言っちゃダメ」なんて言うことなく、あらい先生は「そっかそっか」と笑っていました。
そんな反応をする大人をそれまで見たことのなくて、当時の私には全く新しい人種でした。
あの頃はポカーンしか自覚できなかったけれど、どんなことでも素直に話しても大丈夫、この人はきっと否定しないで聞いてくれる、そういう安心感を初めて見出したのでした。


今の職場で向かいの席に座っている人は最近赴任してきた方なのですが、20代の頃に付き合っていた今までで一番好きだった彼に似てるなーとすぐにわかりました。

でもさらに広く眺めてみると、この向かいの席の人も、元彼も、あらい先生にそっくりだったのです。。


自覚のないまま、私はあらい先生を基準に人を見ていたことに気付きました。
目上の人を、先生と呼ばれる人たちを、そして男性を。


私は、30年も前にたった1時間だけ一緒に時間を過ごしたあらい先生を追い求めていたようです。
もう27、8年も前に亡くなった人を。


それゆえの涙だったのか、とやっとわかりました。


「生きている理由がない」という、時々襲ってくる自分の根源にある想いの理由もここにあったのでした。
理想の父親で、理想の先生で、理想の男性でもある人はもういないから。


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